「自己資金が1,800万円ほどあるんですが、これで運送会社って立ち上げられますか」
そう切り出したのは、大手運送会社で15年トラックドライバーをやってきた45歳の高田さんでした。長距離も地場配送も一通り経験していて、3年前には運行管理者試験にも合格済み。子どもが手を離れるタイミングで、いよいよ独立を決めた、というご相談です。引き抜けそうな同僚も4名いて、川口市内で営業所と車庫を借りて、トラック5台でスタートしたい、という構想でした。
私はその場で、ホワイトボードに3つの数字を書きました。
「最低6名」「5台」「1,500万円」。
「最低6名というのは、運転者5名と運行管理者1名の合計です。運行管理者は運転者と兼任できないので、5台フル稼働させるなら、最低でも6人必要になる。5台はそのまま、トラックの最低台数。1,500万円は、自己資金として運輸局に証明する必要がある金額の目安です。1,800万円なら数字の上では足ります」
高田さんは少し安心した表情になりましたが、「実際には何にいくらかかるんですか」と続けて聞いてきました。1,500万円という数字は知っていても、その内訳まで踏み込んで書いている記事はネット上には少ない、というのが実情です。
私自身は行政書士として運送業許可の申請代行に関わっていますが、それ以前にシステム開発の事業を立ち上げ、2社を経営し、うち1社の事業売却も経験しました。運送業のクライアントは、独立志向の元ドライバーから、複数営業所への拡張を考える既存事業者まで様々ですが、共通して感じるのは「数字と要件の中身が腑に落ちないまま準備が進んでしまう」ことの危うさです。
この記事は、高田さんのような独立希望の方と、軽貨物(黒ナンバー)でスタートして規模拡大を考えている方の両方に向けて、運送業許可(一般貨物自動車運送事業)の要件と費用を、できるだけ具体的な数字で書きます。教科書的な「5要件」の列挙ではなく、現場で詰まりやすい順に整理する形で進めます。
一般貨物自動車運送事業とは──緑ナンバーが必要な世界

最初に、用語の地図を共有しておきます。
「他人の荷物を有償で運ぶ」事業は、貨物自動車運送事業法の規制対象になります。緑ナンバー(事業用自動車のナンバープレート)を付けて運送業務をするには、国土交通大臣の許可が必要。これが一般貨物自動車運送事業許可で、いわゆる「運送業許可」と呼ばれているものです。
軽貨物(黒ナンバー)との違い
混乱しやすいのが、軽貨物(黒ナンバー)の貨物軽自動車運送事業との違いです。軽自動車(軽トラ・軽バン)や125cc超のバイクを使って運送業をする場合は、こちらの届出制度のほうが適用されます。届出制なので許可とは違って審査はなく、書類を揃えて出せば原則1台から事業を始められる。資金要件もない。
つまり、軽貨物は届出制で1台から、一般貨物は許可制で最低5台から。ハードルの差が大きいんです。Amazon配送やUber Eatsの配達業者の多くが軽貨物の枠で動いているのは、この入りやすさが理由です。
自家用(白ナンバー)との違い
もう一つ大事な区別が、自家用と事業用の違いです。
自社で持っている荷物を自社のトラックで運ぶだけなら、白ナンバーの自家用車で問題ありません。たとえば工場が自社製品を倉庫に運ぶ、建設会社が自社の資材を現場に運ぶ、という使い方は自家用の世界。これに対して、他人の荷物を「有償で」運ぶ瞬間に、貨物自動車運送事業法の世界に入ります。下請け配送、混載便、宅配、引っ越し、すべて緑ナンバーが必要です。「白ナンバーで運送料を取る」のは違法行為になるので、ここは明確に分けて理解しておく必要があります。
一般貨物・特定貨物・貨物軽自動車の3類型
一般貨物自動車運送事業は、不特定多数の荷主から運送依頼を受ける事業です。これに対して、特定の荷主(たとえば親会社一社)からのみ依頼を受ける形態は「特定貨物自動車運送事業」になり、要件と手続きが少し異なります。実務では一般貨物の許可を取る方が圧倒的に多いので、本記事は一般貨物の話を中心に書きます。
「最低6名・5台・1,500万円」──運送業許可の3つの数字

冒頭でホワイトボードに書いた3つの数字を、もう少し詳しく見ていきます。
「最低6名」が指しているもの
運送業許可は、運転者5名以上が必要です。これは「車両5台×運転者1名ずつ」が基本ライン。ただし、運転者だけでは足りなくて、それとは別に運行管理者を1名以上選任しなければなりません。運行管理者は、運転者の労務管理(点呼、運行計画、健康管理、事故対応など)を担う役割で、運転者と兼任することは原則として認められない。
理由は、運行管理者の役割が「運転者を管理する」立場だから。自分自身を管理することはできない、という建付けです。だから、「運転者5名+運行管理者1名=最低6名」の体制が、運送業を始める最低ラインになります。
整備管理者も別途1名必要ですが、こちらは運転者との兼任が条件付きで認められます。整備士3級以上の資格があるか、整備実務2年以上の経験があれば、運転者の中の1人を整備管理者として選任できる。高田さんのケースだと、整備管理者を運転者の1人と兼ねる形で進める想定でした。
「5台」の中身
事業用トラック5両以上、というのが車両の最低要件です。普通トラック・大型トラック・小型トラック、いずれでも構いませんが、軽自動車と二輪車(バイク)は5台のカウントには入りません。
5台すべてを最初から自社所有する必要はなく、リース契約でも要件を満たせます。実際、新規開業ではリースで揃えるケースのほうが多い。1台あたりの購入費用が中古でも300万〜500万円、新車だと800万〜1,500万円かかるので、5台すべて購入だと初期投資が重すぎる。リースなら月額5万〜10万円で借りられるので、運転資金を温存しやすいです。
「1,500万円」の意味
これが、本記事のいちばんの実務論点です。
運送業許可の審査では、12か月分の運転資金が事前に確保できているかを見られます。これが「自己資金1,500万円」というよく出てくる数字の根拠で、実際の額は事業計画によって変動します。
「1,500万円」は最低ラインの目安で、車両規模が大きくなる、運転者数が増える、複数営業所を構える、といった要素で2,000万円〜3,000万円に膨らむこともある。逆に、地方都市で人件費が抑えられる、車庫と営業所を一体化できる物件を見つけた、といった条件で1,200万円台で収まることもある。
数字の幅があるのは、12か月分の運転資金の中身が事業計画に応じて変わるから。これを次の章以降で具体的に分解していきます。
場所の要件で詰まりやすいポイント──営業所・車庫・休憩睡眠施設

運送業の場所の要件は、慣れていないと詰まる部分が多いです。高田さんが「川口市内で物件を探す」と言っていたんですが、これがまた一筋縄ではいかない。
営業所として認められる物件
営業所は、事務所として使える独立した建物または部屋であること、用途地域違反がないこと、賃貸借契約書で「事業用使用」が認められていること、というのが基本要件です。
実務でいちばんよく問題になるのが、市街化調整区域。都市計画法上、市街化調整区域では原則として新たな建築物の建設や用途変更が認められないので、調整区域内の建物を運送業の営業所として使うのは厳しいんです。例外的に、農林漁業用建物の用途変更や、調整区域内の既存建物で運送業の用途が認められた事例もありますが、ハードルは高い。
「賃料が安いから」という理由で調整区域内の物件を選んでしまうと、後で許可が下りずに泣くことになります。物件契約の前に、必ず管轄の運輸支局と都市計画担当部署に確認をしておきたいところです。
車庫の場所要件
車庫は、営業所からの距離制限があります。政令指定都市は10km以内、それ以外の地域は5km以内が原則。営業所と車庫を別々に借りる場合は、この距離制限を意識する必要があります。
それから、車庫は5台以上のトラックが収容できる広さがあること、出入口が公道に面していること、舗装されていること、などが求められます。車庫の前面道路の幅員にも条件があって、車両制限令との関係で6.5m以上が一つの目安です。狭い道に面した物件だと、トラックの出入りが物理的に難しいので、許可が下りないケースがある。
高田さんの川口市内の物件探しでは、駅から少し離れた工業地域で営業所と車庫を一体化した物件を見つける方向で動いています。営業所と車庫が同じ敷地内なら、距離制限の問題は出ません。
休憩・睡眠施設
営業所には、運転者のための休憩・睡眠施設が必要です。長距離運転の運転者が安全運行のために休息を取れる空間を確保するという趣旨で、運転者1人あたりおおむね2.5㎡が確保の目安です。
睡眠が必要なのは、長距離輸送で営業所に泊まり込みになる運転者がいる場合。地場配送中心で日帰り運行のみなら、休憩スペースだけで足ります。高田さんの場合、地元工場との取引中心で日帰り運行が想定されるので、簡易な仮眠スペース程度の確保でクリアする方向です。
自己資金1,500万円の中身──実際に何にいくら必要か

さて、ここが本記事のいちばん書きたかった部分です。
運輸局の審査基準では「12か月分の運転資金」と表現されているんですが、その中身を具体的に積み上げていくと、おおまかに次のような構成になります。あくまで一例で、事業規模や地域によって数字は変動します。
人件費
運転者5名×平均月給30万円×12か月=1,800万円。
これがいちばん大きい項目です。月給30万円は地域や経験によって幅があり、長距離運転手なら40万円超、地場配送中心なら25万円前後で収まることもあります。社会保険の会社負担分も合わせると、人件費総額はもう少し上がる。
ここに運行管理者の給与(月30万円×12か月=360万円)と、整備管理者の手当も加わります。運転者と兼任なら追加給与は控えめでいいんですが、専任で雇うなら別途人件費が必要です。
燃料費・修繕費・タイヤ油脂費
軽油代は、1台あたり月10万〜20万円が目安。長距離か地場かで大きく変わります。5台で月50万〜100万円、年間600万〜1,200万円。修繕費は1台あたり月3万〜5万円、5台で年間180万〜300万円。タイヤ油脂費が1台あたり年間20万〜30万円、5台で年間100万〜150万円。
合わせると、車両関係の運行コストだけで年間900万〜1,650万円の幅になります。
租税公課・登録免許税
重量税が1台あたり年間2万〜5万円、自動車税が同じく年間1.5万〜4万円。5台で重量税15万〜25万円、自動車税7万〜20万円。許可申請の登録免許税が12万円。
申請手数料の12万円は、申請時に一度だけかかるものなので、12か月分の運転資金とは別建てで用意しておくのがいいです。
保険料
自賠責保険が1台あたり年間2万〜3万円、5台で10万〜15万円。任意保険(対人・対物無制限が条件)は1台あたり年間20万〜40万円、5台で100万〜200万円。労災保険・社会保険の会社負担分は人件費に乗せて計算しています。
任意保険は「対人無制限・対物200万円以上」の補償を付けることが運送業の運輸開始の要件です。実際には対物も無制限にするケースが一般的で、1台あたりの保険料は40万円前後を見込んでおくのが安全です。
営業所・車庫の賃借料
地域差が大きい項目です。営業所と車庫の賃料が月15万〜30万円、年間180万〜360万円。敷金・礼金が初期に半年分程度。
高田さんのケースで試算
高田さんの場合、川口市内で営業所と車庫一体型の物件を月25万円で借りる想定、運転者5名の平均月給28万円、運行管理者として高田さん自身が兼ねる方向(運転者として登録せず、本人は管理職)で組みました。
人件費(運転者5名):28万×5×12=1,680万円
人件費(運行管理者・本人):35万×12=420万円
燃料費:80万×12=960万円
修繕費・タイヤ:年間300万円
保険料:年間180万円
租税公課:年間40万円
営業所・車庫賃料:25万×12=300万円
合計:3,880万円
これが12か月分の運転資金の見積もりですが、運輸局に証明する自己資金は売上の見込みを見越して相殺できる部分もあるので、実際の自己資金要件は1,800万円〜2,200万円程度になる見立てでした。高田さんの自己資金1,800万円はギリギリのラインで、車両のリース化と運転者の段階的採用で初期負担を抑える戦略で進めることになりました。
運行管理者・整備管理者・法令試験──人の要件の実務

「最低6名」のところで触れた運行管理者と整備管理者、それと申請者本人が受ける法令試験。これも実務で詰まりやすい部分です。
運行管理者の選任
運行管理者は、国家試験に合格した者、または運行管理に関する一定の実務経験を持つ者が選任できます。試験は年2回(3月・8月)実施で、合格率はおおむね30〜35%の幅で推移していると聞いています。決して簡単ではない。
高田さんは3年前に試験合格済みなので、ここはクリア済みでしたが、独立希望の方の中には「運行管理者をどこから連れてくるか」で詰まる方が一定数います。外部から雇うとなると、運行管理者の有資格者は人材市場で引く手あまたで、給与水準も比較的高い。本人が運転者として現場にも出たい場合、運行管理者と運転者の兼任不可ルールに引っかかるので、現場に出る選択を諦めて管理職に専念するか、別途運行管理者を雇うかの二択になります。
整備管理者の選任
整備管理者は、整備士3級以上の資格を持つ者か、車両の点検整備に関する実務経験2年以上の者が選任できます。実務経験ルートのほうが現実的で、運送業界で何年か運転手をしていれば実質的に該当することが多い。
高田さんも15年運転手として車両の日常点検は経験済みなので、この実務経験ルートで整備管理者の選任要件をクリアできる見込みです。ただし、整備管理者は選任後30日以内に運輸支局へ「整備管理者選任届」を提出する必要があり、書式と提出期限があるので、許可後の手続きを忘れないようにしたいところです。
法令試験
申請者本人(個人事業主の場合は本人、法人の場合は代表者または常勤役員)が受ける試験です。出題範囲は道路運送法、道路運送車両法、貨物自動車運送事業法、労働基準法、労働安全衛生法など多岐にわたり、合格基準は8割以上の正答とされている運用です。
合格率の正確な数値は公表されていませんが、私が現場で聞く限りでは、初回受験での合格率は決して高くない。きちんと過去問対策をして臨めば合格できる試験ですが、業界経験が長いだけでは受からないのが現実です。不合格になると再試験になり、2回不合格で申請が取り下げ扱いになるケースもあると聞いています。
欠格事由
過去に運送業の許可を取り消されたことがある、暴力団関係者である、禁錮以上の刑または貨物自動車運送事業法違反での罰金刑から5年経過していない、こういった事由に該当すると許可は下りません。法人の場合は役員全員が対象になります。事前に経歴を整理して、グレーゾーンに触れていないか確認しておくのが安全です。
申請から許可までの3〜5か月をどう過ごすか

運送業許可の申請から許可決定までは、標準処理期間で3〜5か月かかります。書類審査、法令試験、補正対応の積み重ねで、この期間が消費される。
申請後、運輸支局で形式審査が入り、書類の不備があれば補正指示が出ます。補正対応にかかる期間は標準処理期間に含まれないので、ここで時間を取られると4か月、5か月と伸びていく。次に法令試験の日程に合わせて受験。試験合格後、運輸局での実質審査が進む。問題がなければ許可決定、というのが大まかな流れです。
書類の不備、添付資料の不足、自己資金の証明資料が直近のものでない(残高証明書は申請時から1か月以内のものが必要)、賃貸借契約書の記載に問題がある、こういったところでつまずくと補正に時間が取られます。私の経験上、初めて申請する個人で補正なしの一発承認になるケースは少ない。何らかの修正が入る前提で動いたほうが現実的です。
許可決定が出ても、すぐに緑ナンバーが交付されて事業を開始できるわけではありません。許可後に運輸開始届を出す手続き、緑ナンバーの取得、社会保険の適用、車両の事業用登録、損害賠償保険の付保、といった手続きが連続します。許可から運輸開始まで、さらに1〜2か月かかると見ておくのが安全です。
ここが、独立希望者にとっての悩みどころです。許可申請を出してから運輸開始まで、半年近くは事業からの収入が入らない状態が続きます。高田さんには「貯金の取り崩しを覚悟するか、軽貨物を並行して動かして繋ぐか、前職で副業として続けるかの選択になります」とお伝えしました。本人は半年分の生活費を別途確保する形で進めることになりました。
軽貨物(黒ナンバー)から始めるという選択肢

ここまで一般貨物の話をしてきましたが、書いておきたいのが、軽貨物から始めるという選択肢です。
軽貨物(貨物軽自動車運送事業)は、届出制で1台から始められます。資金要件もなく、運行管理者の選任も不要、運転者は本人1人でOK。届出書類を揃えて運輸支局に出せば、最短その日のうちに事業を始められる。Amazon配送の業務委託で食べている方、Uber Eatsの配達員で稼いでいる方、いずれもこの軽貨物の枠で動いていることが多いです。
軽貨物で事業を始めて、月商が安定してきたら、車両を軽から普通車に切り替えて、案件規模を拡大して、と段階的にステップアップする経路もあります。「いきなり一般貨物の許可を取るのは資金的に厳しい」という方は、軽貨物で1年〜数年動いて、一般貨物に上がる時期を見計らうのが現実的だと感じています。
軽貨物で2年動いて月商が安定してきた段階で「一般貨物に上がるべきか」を相談してくる方は、私の事務所でも一定数います。一般貨物に上がる判断軸は、案件規模が大きくなって5台以上の車両が必要になったとき、企業との直接契約で「緑ナンバーじゃないと取引できない」と言われたとき、複数の運転手を雇って組織化する段階に来たとき、こういった節目です。
逆に、個人完結のスポット便配送が中心で、月商60万〜100万円程度で安定しているなら、無理に一般貨物に上がらずに軽貨物のままで動く選択も合理的です。一般貨物の許可は取る価値が出てから取るもので、要件を満たすために無理をする手続きではないと、私は考えています。
自分で申請するか、行政書士に依頼するか
運送業許可は、申請書類が他の許認可と比べても多めで、添付資料の収集にも時間がかかります。自分で申請するか、行政書士に依頼するかは、ケースによります。
自分で申請するメリットは、費用が抑えられること、手続きを通じて制度を深く理解できること。デメリットは、平日昼間に運輸支局や役所を回る時間が取られること、書類の不備で補正に追われるリスク、市街化調整区域や前面道路幅員などの場所要件で見落としが出やすいこと。
行政書士に依頼する場合の費用相場は、運送業許可の単独申請で30万〜60万円程度。複数営業所、法人設立同時進行、市街化調整区域内の物件選定が絡む案件だと、追加で費用が乗ります。事務所によって料金体系が違うので、見積もりを取るときは「どこからどこまでやってくれるのか」を必ず明示してもらうほうが安全です。
行政書士に依頼する価値が出やすいのは、複数営業所を同時に立ち上げる場合、市街化調整区域や前面道路幅員でグレーな物件を選ぶ場合、法令試験対策まで含めて伴走してほしい場合、許可後の運輸開始届や巡回指導対策まで一括で見てもらいたい場合。要は、自分で漏れなく拾うのが難しい論点が多いケースです。
高田さんの案件では、私の事務所で物件選定の段階から関与して、運輸支局との事前協議、自己資金の積算、申請書類の作成、法令試験対策、許可後の運輸開始届と巡回指導までを一括で進めています。途中で社労士(労働保険の手続き)と税理士(個人事業の開業届と青色申告)にも入ってもらっています。
最後に──運送業許可は「事業の準備期間そのもの」
運送業許可の申請から許可決定まで3〜5か月、運輸開始までだとさらに1〜2か月。合計すると、思い立ってから事業を始めるまでに半年近くかかります。
この期間を「許可が下りるのを待つだけの時間」と捉えるか、「事業計画を最終チェックする期間」と捉えるかで、開業後の安定感が変わってくると感じています。物件契約、車両の手配、運転者の採用、保険の手配、税理士・社労士の体制づくり、これらを並行で進めることで、許可決定と同時にスムーズに動き出せる準備が整う。
高田さんには「この3〜5か月は仕込み期間です。許可が下りた瞬間に走り出せる準備を、一つずつ進めていきましょう」とお伝えしました。事業の準備期間そのものを、許可申請が後押ししてくれる期間と捉えるのが、私の感覚です。
行政書士に相談する価値は、許認可全体の見立てを最初に組み立てられる点と、要件のグレーゾーンを実務的に判断できる点、それから許可後の運輸開始までを伴走できる点にあります。運送業の場合、許可取得がゴールではなく、事業を回し続けるための入口なので、伴走できるパートナーがいるかどうかは、後の運営の安定にも繋がります。
運送業許可の取得を、物件選定の段階から一緒に進めませんか?

物件契約の前段階から、市街化調整区域・前面道路幅員などの場所要件のチェック、自己資金の積算、運行管理者・整備管理者の選任、法令試験対策、許可後の運輸開始届まで一括でサポートします。複数営業所、法人設立同時進行、軽貨物からのステップアップ案件もお引き受けしています。社労士・税理士・司法書士との連携体制もあります。
神戸の行政書士なら神戸北行政書士事務所|資金調達実績多数