「トラック協会の助成金って、結局どれが使えるんだっけ?」
兵庫県内で運送業を営んでいる方なら、一度はこんな疑問を持ったことがあるんじゃないでしょうか。兵庫県トラック協会(兵ト協)のサイトを見ると助成事業の一覧が載っているんですが、全部で29項目もあって、しかも「令和7年度終了」と「令和8年度開始」が入り混じっていて、正直パッと見ただけでは自分が今申請できるものがどれなのかわかりにくい。
そこでこの記事では、令和8年度(2026年度)に申請できる助成金8制度に絞って、それぞれの内容をできるだけわかりやすく整理しました。融資系から安全対策、環境対策まで幅広くカバーしているので、「どれか1つくらいはウチでも使えるかも」という目線で読んでいだければと思います。
兵庫県トラック協会の会員事業者(兵庫県内に本社・営業所を有するトラック運送事業者)を対象とした内容です。非会員の方は助成対象外となる場合があります。
令和8年度に申請できる助成金一覧|全8制度を一気に確認

2026年改正行政書士法により、無資格者が報酬を得て補助金申請書類を作成する行為への罰則が強化されました。詳細は2026年改正行政書士法のポイントをご確認ください。
まず全体像を掴んでいただくために、令和8年度に受付が開始されている8つの助成制度を一覧にまとめました。
| 分類 | 助成制度名 | 概要 |
|---|---|---|
| 融資系 | 第50回近代化基金融資 | 物流施設整備・車両購入等の設備資金への利子補給 |
| セーフティネット制度融資の信用保証料・利子補給助成 | セーフティネット保証制度融資の保証料+利息の一部助成 | |
| 安全対策系 | ドライブレコーダー機器導入促進助成 | ドラレコ車載器の導入費用を助成 |
| 運行管理者指導講習手数料助成 | 一般講習・基礎講習の受講手数料を助成 | |
| 適性診断手数料助成 | 初任・適齢・一般診断の受診手数料を助成 | |
| ドライバー等安全教育訓練促進助成 | 全ト協指定コースの研修受講費用を助成 | |
| 適性診断活用講座受講助成 | NASVA主催の活用講座受講料を助成 | |
| 環境対策系 | エコタイヤ等導入促進助成 | 低燃費タイヤ・リトレッドタイヤの購入費を助成 |
ざっと見ると、安全対策系が5つで半分以上を占めています。これは2024年問題以降、ドライバーの安全管理がますます厳しく見られるようになった影響もあるんだろうなと個人的には感じてます。では、それぞれの制度を詳しく見ていきましょう。
融資系助成|近代化基金融資・セーフティネット融資

まずは「助成金」というより「融資の利子補給」にあたる2つの制度です。直接お金がもらえるわけではないですが、借入時の金利負担が軽くなるので、設備投資を考えている事業者にとってはかなりありがたい制度です。
第50回近代化基金融資
トラック運送事業者の近代化・合理化を目的とした融資制度で、兵庫県トラック協会から利子補給を受けることで、通常よりも低い金利で融資を受けることができます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 利子補給率 | 上期(4月〜9月)推薦分:1.0% |
| 融資限度額 | 5,000万円以内 |
| 対象 | 物流施設の整備、車両購入、省エネ関連機器の導入等 |
| 取扱金融機関 | 商工中金 |
| 状況 | 令和8年度 受付開始済み |
下期(10月〜3月)の利子補給率は確定次第、兵ト協のサイトで公開されます。50回目ということは相当歴史のある制度で、毎年継続的に実施されているものなので安定感がありますね。
なお、事業規模が1億円以上の大規模プロジェクトの場合は、全日本トラック協会(全ト協)の中央近代化基金「補完融資」も利用できる可能性があります。投資額の30%以内で追加の融資が受けられるので、大きな設備投資を検討している方は併せてチェックしてみてください。
セーフティネット制度融資に対する信用保証料及び利子補給助成
こちらはセーフティネット保証制度(中小企業の資金繰り支援融資)を利用した際に、信用保証協会に支払う保証料の一部と、融資の利息の一部を兵ト協が助成してくれるという制度です。
正直なところ、この制度の名前は長すぎて覚えにくいです。でも中身はシンプルで、要は「セーフティネット融資を使ったら、保証料と金利の負担を減らしてあげますよ」という話。原油・原材料価格の変動や景況悪化で資金繰りが厳しいときに、金融機関から新たに運転資金を借り入れる場合に使えます。
令和8年度は受付開始済みです。セーフティネット保証5号の業種指定については中小企業庁のサイトで確認できるので、自社が対象になるかどうかは事前にチェックしておきましょう。
安全対策系助成|ドラレコ・講習・診断・教育訓練

ここからが本題というか、申請のハードルが比較的低くて多くの事業者が使いやすい助成金です。全部で5制度ありますが、どれも「安全対策にかかるコストの一部を補助しますよ」という趣旨のもの。順番に見ていきます。
ドライブレコーダー機器導入促進助成
事故やヒヤリハット時の映像・走行データを記録するドライブレコーダーの導入費用を助成する制度です。令和7年度の兵庫県トラック協会の実績では、1台あたり1万円、1事業者あたり上限20台まで助成されていました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成額(R7参考) | 1台あたり1万円 |
| 上限台数(R7参考) | 20台 |
| 対象機器 | 兵ト協・全ト協が指定するドライブレコーダー車載器 |
| 状況 | 令和8年度 受付開始済み |
「1台1万円?少なくない?」と思われるかもしれません。まあ確かに1台あたりで見れば大きな金額ではないです。ただ20台分申請すれば20万円になるわけで、中小の運送会社にとっては無視できない金額ではないでしょうか。対象機器の一覧はPDF(7.92MB)で公開されていますので、導入予定のドラレコが対象に含まれているかは事前確認が必須です。
兵庫県トラック協会では、令和7年度時点でEMS用車載器(デジタコ)の助成は実施されていません。デジタコの助成があるかどうかは都道府県によって異なりますので、兵庫では現状ドラレコのみが対象です。
運行管理者指導講習手数料助成
運行管理者の一般講習・基礎講習を受講した際の手数料を助成してくれる制度です。運行管理者講習は法令で義務付けられているものなので、どの運送会社も必ず費用が発生します。その負担を軽減してくれるのはありがたいですよね。
指定機関は事故対策機構(NASVA)の兵庫支所・大阪主管支所のほか、網干自動車教習所、春日自動車教習所、淡陽自動車教習所、はりま自動車教習所、兵庫県タクシー事業協同組合、ヤマト・スタッフ・サプライ(兵庫県内開催分に限る)の8か所です。
適性診断手数料助成
ドライバーの適性診断(初任診断・適齢診断・一般診断)の受診手数料を助成する制度です。適性診断も運行管理者講習と同様に、一定の条件下で受診が義務付けられているものですから、この助成はぜひ活用したいところ。
指定機関は事故対策機構の兵庫支所・大阪主管支所に加え、尼崎ドライブスクール(一般診断は未実施)、網干自動車教習所、神姫バス、はりま自動車教習所、兵庫県タクシー事業協同組合、ヤマト・スタッフ・サプライの8か所。運行管理者講習とほぼ同じ顔ぶれです。
ドライバー等安全教育訓練促進助成(全ト協コース)
全日本トラック協会が指定する安全運転教育訓練を受講した会員事業者に対して助成される制度です。1会員あたり2名までが助成対象となっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象研修 | 特別研修(2泊3日)、一般研修(1泊2日) |
| 研修施設 | クレフィール湖東(滋賀県)、総合交通教育センターABOSHI(兵庫県) |
| 助成上限 | 1会員2名まで |
| 状況 | 令和8年度 受付開始済み |
研修はクレフィール湖東での開催が中心ですが、兵庫県内ではABOSHI(網干)でも受講できます。2泊3日の特別研修と1泊2日の一般研修があり、実車を使った実践的な訓練が受けられるのが特徴です。クレフィール湖東の研修は令和8年度も全日程抽選予約となっていますから、早めの申し込みをおすすめします。
ちなみに2名までという上限は正直厳しいなと思いますが、毎年申請すれば徐々に受講済みのドライバーを増やしていけるので、計画的に活用するのがいいでしょう。
適性診断活用講座受講助成
これは前述の「適性診断手数料助成」とは別の制度です。紛らわしいんですが、こちらはドライバーではなく運行管理者等が対象。独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)が開催する「適性診断活用講座」を受講した際の受講料を助成してくれます。
適性診断の結果をどう活用してドライバーを指導するか、という管理者向けの講座なので、安全管理体制を強化したい事業者には有益な研修だと思います。兵庫県下の営業所に所属する運行管理者等が対象です。
環境対策系助成|エコタイヤ等導入促進助成

環境対策系で令和8年度に受付が開始されている助成はこの1制度のみです。
燃費の向上によるCO2削減対策として、転がり抵抗を大幅(20%程度)削減するエコタイヤを購入・装着した会員事業者に対して、購入費用の一部が助成されます。リトレッドタイヤ(再生タイヤ)も助成対象に含まれているのがポイントで、資源の再利用という観点からも推奨されている制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | エコタイヤ(転がり抵抗20%削減)およびリトレッドタイヤ |
| 対象商品 | 兵ト協指定の対象商品一覧に掲載されているもの |
| 状況 | 令和8年度 受付開始済み(2026年4月1日更新) |
対象商品一覧のPDFは約1MBとかなりのボリュームがあり、各メーカーの該当タイヤが細かく記載されています。タイヤの入れ替え時期に合わせて申請すれば、日常的なランニングコストの軽減につながりますね。
燃料費の高騰が続いている昨今、エコタイヤへの切り替えは助成金の有無にかかわらず検討する価値がありますが、どうせ替えるなら助成金を使わない手はないでしょう。。
申請時の注意点|予算上限・書類・よくあるミス

助成金の制度そのものを知ったら、次に気をつけたいのが申請時の実務的なポイントです。ここでつまずく事業者は意外と多いので、いくつか確認しておきましょう。
① 予算に達したら受付終了になる
令和7年度の実績を見ると、ドラレコ、アルコール検知器、血圧計、健康診断、エコタイヤ、環境対応車など、多くの助成金が「予算が上限に達したため受付終了」となっています。つまり早い者勝ちの側面があるということ。「今年度中に申請すればいいや」とのんびりしていると、気づいた時には予算切れ……というのは珍しくありません。
② 対象機器・対象商品を事前確認する
ドラレコもエコタイヤも、何でも助成対象になるわけではなく、兵ト協や全ト協が指定した機器・商品に限られます。購入してから「対象外だった」と気づいても遅いので、必ず対象一覧のPDFを確認してから購入してください。
③ 申請書類のフォーマットを間違えない
各助成制度ごとに専用の申請書(様式)が用意されています。兵ト協のサイトから各制度のページに入るとPDFやWordでダウンロードできますが、年度が変わると様式も更新されることがあるので、必ず最新のものを使ってください。古い様式で提出して差し戻されたという話しはよく聞きます。
④ 助成金の振込頻度について
兵ト協では助成金の振込頻度を見直しているとのアナウンスがあります。申請前に「助成金交付申請にあたっての留意事項」を必ず確認してください。これ、サイト上にも「申請前に必ずご覧ください」と書いてあるのに見落とす人が結構いるんですよね。
令和7年度で終了した助成金にも注目|来年度の復活に備える

令和7年度で受付終了した助成金のなかにも、運送会社にとって有用な制度がたくさんありました。予算上限に達して早期終了したものが多いということは、それだけニーズが高いということでもあります。令和9年度以降に再開される可能性も十分ありますので、頭の片隅に入れておくと良いと思います。
| 助成制度名 | 概要 | 状況 |
|---|---|---|
| 環境対応車導入促進助成 | 天然ガス・ハイブリッド・電気自動車・ディーゼル車の導入 | 予算上限で終了 |
| アルコール検知器導入促進助成 | 点呼時のアルコール検知器導入費用 | 予算上限で終了 |
| 健康診断受診料助成 | 労安法に基づく健康診断の費用 | 予算上限で終了 |
| 血圧計導入促進助成 | 乗務前点呼での血圧測定用機器 | 予算上限で終了 |
| 免許取得に係る助成 | 各種自動車運転免許の教習料 | 予算上限で終了 |
| テールゲートリフター導入促進助成 | 荷役作業効率化のためのリフター導入 | R7終了 |
| 熱中症予防対策空調付き作業着等購入助成 | 空調服等の購入費用 | R7終了 |
特に「環境対応車導入促進助成」と「免許取得に係る助成」は金額的にも大きい制度なので、令和9年度の募集が始まったらすぐに申請できるよう準備しておくのが賢明です。年度が切り替わる4月にはトラック協会のサイトを必ずチェックしましょう。
まとめ|使える助成金は使い倒す。それが経営の基本
令和8年度に兵庫県トラック協会で申請できる助成金8制度をまとめました。
正直なところ、1つ1つの助成金額は数千円〜数万円程度のものが多くて、「わざわざ申請するのが面倒」と感じる事業者もいると思います。気持ちはわかります。ただ、融資系の近代化基金なら最大5,000万円の融資に対する利子補給ですし、ドラレコを20台申請すれば20万円、エコタイヤも台数分積み上がれば相当な金額になります。複数の制度を組み合わせれば、年間でそれなのコスト削減になるはずです。
それに、こういう助成金の申請をきちんとやっている事業者は、Gマークの取得や監査対応の面でも「安全に対する取り組みが評価される」ということもあります。助成金は単にお金をもらうだけじゃなく、会社の信用にも繋がると私は考えてます。
一般社団法人 兵庫県トラック協会
〒657-0043 兵庫県神戸市灘区大石東町2丁目4番27号
TEL:078-882-5556
公式サイト:https://www.hyotokyo.or.jp/member-public/jyosei_top.html
「申請書類の書き方がよくわからない」「自社がどの助成金を使えるのか判断できない」といった場合は、当事務所でもご相談を承っています。補助金・助成金の申請サポートは行政書士の得意分野でもありますので、お気軽にお声がけください。
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