「エアコンも照明も古いけど、全部替えたら結構かかるしなあ……」
神戸市内で事業をやっている方なら、一度はそう思ったことがあるんじゃないでしょうか。とくにここ数年、電気代の値上がりが尋常じゃない。関西電力の法人向け電気料金は2021年と比べて3割以上上がっているという話もありますし、夏場のエアコン代だけで頭を抱えている中小企業は本当に多いです。
そんな事業者に向けて、神戸市が「省エネ設備更新補助金」を実施します。業務用エアコンやLED照明など、省エネ性能の高い設備への更新費用の半額(上限50万円)を補助してくれる制度です。しかも先着800件。第1期の受付は2026年6月22日からです。
この記事では、対象者や対象設備、申請スケジュール、注意点までまるっと解説しています。「うちも使えるかも」と思った方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
本記事は2026年4月28日時点で神戸市が公表している情報に基づいて作成しています。制度の詳細(募集要領・FAQ・申請フォーム等)は2026年5月下旬に公表予定とされており、公表後に内容が変更される可能性があります。最新情報は神戸市公式ページをご確認ください。
神戸市省エネ設備更新補助金とは|制度の全体像をわかりやすく

2026年改正行政書士法により、無資格者が報酬を得て補助金申請書類を作成する行為への罰則が強化されました。詳細は2026年改正行政書士法のポイントをご確認ください。
まず結論から言うと、この補助金はかなりシンプルな制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 対象経費の1/2 |
| 補助額 | 下限15万円〜上限50万円 |
| 補助件数 | 800件程度(先着順) |
| 対象者 | 神戸市内に事業所を有する中小企業者・中堅企業者 |
| 対象設備 | 業務用エアコン、LED照明、業務用給湯器、冷凍冷蔵設備、産業用モータ |
| 申請期間 | 第1期:6/22〜7/24、第2期:8/3〜9/11 |
| 申請方法 | e-KOBE(神戸市スマート申請システム)によるオンライン申請 |
国の物価高対策(重点支援地方交付金)を活用した事業で、エネルギー価格高騰の影響を受けている市内事業者を支援するのが目的です。
実はこの補助金、2023年度にも実施されていました。ただし当時は「省エネ診断」を先に受けてから設備更新、という2段階の仕組みでした。それが2026年度版では省エネ診断が不要になり、対象設備の要件を満たせば直接申請できる形に変わっています。上限額は100万円から50万円に下がりましたが、申請のハードルはかなり低くなったと思います。個人的には、前回の省エネ診断が「面倒だから申請やめた」という事業者を結構見てきたので、今回の簡素化は正しい判断だなと感じています。
対象になる事業者は?

対象者の条件はシンプルで、以下の2つを満たせばOKです。
① 神戸市内に事業所があること
本店が市外でも、神戸市内に支店や営業所、店舗があればその事業所に設置する設備は対象になります。
② 中小企業者または中堅企業者であること
中小企業基本法で定義される「中小企業者」に加えて、従業員2,000人以下の「中堅企業者」も対象です。個人事業主も含まれますので、よほどの大企業でなければ当てまります。
会社法上の会社に該当しない法人は対象外です。具体的には、社会福祉法人、医療法人、学校法人、一般社団法人、一般財団法人などが対象外になると明記されています。NPO法人も含まれる可能性があるため、該当する方は事前にコールセンター(6月1日開設予定)に確認することをおすすめします。
業種の制限はありません。飲食店、美容院、小売店、不動産屋、整骨院、製造業、建設業、ITオフィス……なんでもOKです。「補助金って自分には関係ない」と思っている事業者ほど、こういう制度を見逃しているケースが多いんですよね。。
対象設備は5種類

補助の対象になるのは以下の5種類の業務用設備です。
業務用エアコン
おそらくこの補助金で一番需要が大きいのがエアコンでしょう。飲食店、事務所、店舗、工場など、業種を問わずほぼすべての事業者が使っている設備です。天井埋込型(カセット形)やビルトイン形、床置形など、業務用であれば形状は問いません。
10年以上使っている業務用エアコンは、最新機種と比べて消費電力が30〜40%も高いと言われています。仮に年間のエアコン代が50万円かかっている事業所なら、更新だけで年間15万〜20万円の電気代削減が見込めるわけです。補助金で設備費の半額が返ってくると考えれば、投資回収は相当早いと思います。
LED照明
蛍光灯からLEDへの切り替えも対象です。ただし注意点があって、器具本体と一体で交換するものに限られます。いわゆる「直管LED」のように、既存の蛍光灯器具にLEDランプだけ差し替えるタイプは対象外です。器具ごと替えてください、ということですね。
LED化は省エネ効果が非常に高くて、蛍光灯からの切り替えで電力消費が約50%削減できると言われてます。しかも寿命が蛍光灯の4倍程度(約40,000時間)なので、交換の手間とコストもかなり減る。照明の数が多い事業所ほどメリットは大きいです。
業務用給湯器
飲食店や美容院、ホテル・旅館、介護施設など、お湯を大量に使う業種にとってはここがポイントになると思います。古いガス給湯器から高効率型への更新が対象です。業務用ヒートポンプ給湯器(エコキュート)への切替えなども含まれるはずです。
冷凍冷蔵設備
スーパー、飲食店、食品製造業、物流倉庫などで使われる業務用冷蔵庫・冷凍庫が対象です。冷凍冷蔵設備は24時間365日稼働しているので、省エネ効果が出やすい設備でもあります。とくに10年以上前の設備を使い続けている事業者は、更新による電気代の差に驚くかもしれません。
産業用モータ
これは主に製造業向けです。工場で使われるポンプ、ファン、コンプレッサーなどの動力源となるモータが対象になります。産業用モータは工場の電力消費の約7割を占めるとも言われていて、IE3やIE4クラスの高効率モータに切り替えるだけでかなりの省エネになります。
ただ、モータ単体の更新というのは一般の事業者にはあまり馴染みがないかもしれません。製造ラインの改修タイミングに合わせて検討するのが現実的です。
対象設備の要件|カタログ掲載・トップランナー基準とは

「業務用エアコンならなんでもいいのか」というと、そうではありません。以下のいずれかの要件を満たす設備であることが条件です。
要件1:国の「設備単位型」カタログに掲載されている製品
国の補助金「省エネルギー投資促進支援事業費補助金(設備単位型)」の対象として、SII(環境共創イニシアチブ)がカタログに登録・公表している製品であること。このカタログはSIIの特設サイトで公開されています。設備のメーカーや型番で検索できるので、購入前に必ず確認してください。
要件2:トップランナー基準を達成しているもの
省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)に基づく「トップランナー基準」を達成した製品であること。エアコンや照明器具などは、省エネラベルで★4つ以上の製品が目安になります。
要件3:グリーン購入法の調達基準に適合するもの
これも国の基準です。環境負荷の少ない製品として「グリーン購入法」の基準をクリアしている製品が該当します。
要件4:蛍光灯からLEDへの交換(器具本体と一体交換に限る)
これはLED照明に限った要件です。カタログ掲載やトップランナー基準を満たしていなくても、蛍光灯器具から丸ごとLED器具に替える場合は対象になります。
要件1〜4のどれか1つでも満たしていれば申請できます。実務的には、設備業者やメーカーに「この製品はSIIのカタログに載っていますか」と聞くのが一番手っ取り早いです。まともな業者なら把握しているはずですから。
補助金額と申請スケジュール|最低30万円以上の投資が条件

補助額についてもう少し詳しく見ておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 対象経費の1/2 |
| 下限額 | 15万円 |
| 上限額 | 50万円 |
| 必要投資額 | 税抜30万円以上(=補助額15万円が下限のため) |
つまり、税抜30万円未満の設備投資では補助対象になりません。逆に言えば、100万円以上の投資をしても補助額は50万円で頭打ちです。エアコン1台で30〜80万円程度が相場ですから、業務用エアコン1台の更新でちょうど使いやすい金額設定になってると思います。
なお、2つ以上の設備を同時に更新することも可能です。たとえばエアコンとLED照明をまとめて更新して、合計の対象経費に対して補助を受ける、というやり方もできます。ただし申請は1事業者につき1回限りなので、更新したい設備はまとめて1回の申請に入れる必要があります。複数の事業所にまたがる設備更新もOKですが、すべて神戸市内の事業所に設置するものに限られます。
上限額が増額されるケース
以下のいずれかに該当する企業は、上限額が増額されます(具体的な増額幅は5月下旬公表予定)。
① 「ひょうご脱炭素経営スクール」の修了企業、または2026年度の受講決定企業
兵庫県と神戸市が共催で実施している脱炭素経営のスクールです。座学とグループワークで「脱炭素経営計画」を自分で組み立てるという内容で、修了すると補助上限が引き上がります。まだ受講していない企業でも、2026年度の受講が決定していれば増額の対象です。
② こうべ産業・就労支援財団「カーボンニュートラル支援事業」の対象企業
公益財団法人こうべ産業・就労支援財団が実施するCN支援事業に参加している企業も増額対象になります。
増額幅がどれくらいかは現時点では未公表です。ただ、2023年度の制度では省エネ診断を受けることが必須だったことを考えると、脱炭素スクールの受講が「加点」ではなく「実質的にかなりのメリット」になる可能性が高いんじゃないかと私は見ています。
申請スケジュール
| 期 | 受付期間 |
|---|---|
| 第1期 | 2026年6月22日(月)〜 7月24日(金) |
| 第2期 | 2026年8月3日(月)〜 9月11日(金) |
先着800件です。2023年度のときは追加募集が出たくらいですから需要は相当あります。第2期まで待とうと悠長に構えていると、第1期で枠が埋まってしまう可能性も否定できません。準備ができ次第、第1期初日に申請するくらいの気持ちでいたほうが安全です。
申請前に知っておくべき注意点

この補助金には、知らないと取り返しのつかなくなる落とし穴がいくつかあります。
① 交付決定前の発注・設置は補助対象外
これが最大の注意点です。「先に工事を進めておいて、あとから申請すればいいか」は通りません。申請 → 神戸市から交付決定通知を受領 → その後に発注・設置、という順番を必ず守る必要があります。交付決定前に業者に発注してしまった場合、たとえ補助要件をすべて満たしていても補助金は受け取れません。これは本当によくあるミスなので注意してくだざい。
② 新規導入は対象外(更新のみ)
あくまで「既存設備の更新」が対象です。新しくもう1台エアコンを増設する、という場合は対象になりません。今使っている古い設備を、新しい省エネ設備に置き換える場合のみです。
③ 1事業者につき申請は1回限り
エアコンとLEDを別々に2回申請する、ということはできません。更新したい設備が複数ある場合は、すべてまとめて1回で申請してください。複数の事業所にまたがっても1回の申請に含められますが、とにかく「1社1回」です。後から追加はできないので、申請前にしっかり計画を立てましょう。
④ e-KOBEのアカウントを事前に作っておく
申請はe-KOBE(神戸市スマート申請システム)によるオンライン申請です。アカウントを持っていない事業者は、e-KOBEのサイトから「事業者として登録する」で事前にアカウントを作成しておいてください。受付開始日にバタバタしないよう、今のうちに済ませておくことをおすすめします。
⑤ 2027年1月31日までに設置・支払を完了すること
設備の設置と代金の支払いが2027年1月末日までに完了しなければなりません。大型設備の場合は納期が数ヶ月かかることもありますから、設備業者にスケジュールを確認してから申請したほうがいいです。
⑥ 家庭用製品は対象外
事業に専用する設備が対象です。家庭用のルームエアコンや家庭用冷蔵庫は対象外になります。自宅兼事務所で使っている設備がどう扱われるかは、コールセンターに確認してみてください。
国の省エネ補助金(設備単位型)との違い

「省エネ設備の補助金」というと、国が実施している「省エネルギー投資促進支援事業費補助金(設備単位型)」もあります。神戸市の補助金と混同しやすいので、違いを整理しておきます。
| 比較項目 | 神戸市 省エネ設備更新補助金 | 国 省エネ補助金(設備単位型) |
|---|---|---|
| 補助率 | 1/2 | 1/3(中小企業は一部1/2) |
| 上限額 | 50万円 | 1億円 |
| 対象地域 | 神戸市内の事業所のみ | 全国 |
| 申請方法 | e-KOBE(オンライン) | SIIポータル(オンライン) |
| 審査方式 | 先着順 | 公募期間後に審査 |
| 対象設備 | 5種類(エアコン、LED、給湯器、冷凍冷蔵、モータ) | より幅広い(ボイラ、変圧器、コージェネなども含む) |
ざっくり言えば、国の補助金は「大きな設備投資向け」、神戸市の補助金は「中小規模の設備更新向け」です。数百万円〜数千万円クラスの設備投資なら国の設備単位型のほうが補助額は大きくなりますが、審査があるぶん採択されるかどうかわかりません。一方、神戸市の補助金は先着順なので、要件さえ満たせば確実にもらえるのが大きな違いです。
「エアコン1〜2台を替えたい」くらいの規模感であれば、神戸市の補助金のほうが補助率も高く(1/2 vs 1/3)、申請もシンプルで使いやすいはずです。
なお、神戸市の補助金と国の補助金を同じ設備に対して併用できるかどうかは、現時点では明言されていません。一般的に、国の交付金を活用した地方自治体の補助金は国の補助金との併用が認められないケースが多いですが、これは5月下旬公表の募集要領で確認する必要があります。
まとめ|6月22日の受付開始前に準備を始めよう
神戸市省エネ設備更新補助金の要点を振り返ります。
対象経費の1/2、上限50万円。業務用エアコン・LED照明・給湯器・冷凍冷蔵設備・産業用モータの5種類が対象で、神戸市内の中小企業なら業種を問わず申請できます。先着800件の早い者勝ちで、第1期の受付は6月22日から。
個人的に、この補助金は「ちょうどよい規模感」だと思ってます。エアコン1台、LED照明の一括交換、冷蔵庫の買い替え。そういう身近な設備更新にフィットする制度って、意外と少ないんですよ。国の省エネ補助金は大規模すぎて中小企業には使いにくいし、自治体の補助金はそもそも知られてない。この補助金は、まさにその隙間を埋めるような存在だと思います。
受付開始まであと1ヶ月ちょっとです。今のうちにやっておくべきことは以下の3つだけ。
① 更新したい設備をリストアップして見積もりを取る
② 対象製品かどうかをSIIカタログやメーカーに確認する
③ e-KOBEのアカウントを事業者として登録しておく
この3つを済ませておけば、6月22日の受付開始と同時にスムーズに申請が出せるはずです。
神戸市 経済観光局 経済政策課
※6月1日(月)より専用コールセンターが開設されます。電話番号・メールアドレスは決定次第、神戸市公式ページに掲載される予定です。
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